【安全衛生眺めてみれば】第10回 スキー場と階段の斜度
2024.05.10
【安全スタッフ】
若いころ、私はスキーが好きでした。新婚旅行は、北海道の大雪山系の旭岳スキー場で過ごしましたし、カナダのロッキー山脈まで滑りに行ったこともあります。高齢者になってスキーは引退しましたが、心のどこかでは、また体を鍛えてスキーに行きたいと秘かに思っています。三浦雄一郎さんのお父上は90歳を過ぎてモンブランでスキーをされたらしく、自分だって訓練すれば国内のスキー場であればなんとかなるのではないかと思い、先年、長らく私の身体を診ていただいている先生に相談したところ、「それはもう自己責任でおやりなさい」と冷たく言われてしまいました。
さて、スキーヤーは十分にご存じですが、斜面が30度を超えると、そのゲレンデは上級者のものとなります。斜度40度以上の場所は見下ろすと、正にそこは断崖絶壁で、恐怖感にかられます。この自然界の斜度に関する感覚は、ゲレンデだけでなく、一般の山や谷でも同じです。私たちは、自然界では40度を超える斜度のところに身を置くときは、…
執筆:一般社団法人 労務安全監査センター 代表理事 東内 一明
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2024年5月15日第2450号 掲載