【安全衛生眺めてみれば】第12回 油断する「階段の下のほう」
2024.06.11
【安全スタッフ】
高校の古文の授業で、兼好法師の徒然草に「高名の木登り」と題する次の文章を習いました。「親方が弟子を高い木に登らせて枝を切らせていたときに、高くて危ないところでの作業中には何も言わないで、作業が終わり木から降りてきてしかも家の軒の高さぐらいまでになったときにはじめて『気を付けろ』と声を掛けました。そこで兼好法師が飛び降りてもたいしたことはないのではないか、と声をかけると、その親方が、高いところでは本人が恐れて注意しているから言う必要はありません。間違いは下のほうになってからなのです。だから注意したのです」といった趣旨でした。
この文章を思い出したのは、私の顧問先の企業で安全パトロールを行った際、工場の階段の下から3段目、2段目、1段目に大きな字で「3」「2」「1」と表示してあるのを見たからです。
こうした表示は、…
執筆:一般社団法人 労務安全監査センター 代表理事 東内 一明
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2024年6月15日第2452号 掲載