【多様な働き方を支える 限定契約の実務】最終回 最高裁判決が示した効力 範囲外の権限有さず ジョブレス解雇は許容か/安倍 嘉一

2024.06.20 【労働新聞】
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黙示の合意を認める

 これまで限定契約が論点となったさまざまな裁判例を紹介してきたが、つい先日、まさに限定契約の効力に関する最高裁判例が出されたところである。そこで、本連載の最後に、滋賀県社会福祉協議会事件(最判令6・4・26)を取り上げる。

(1)事案の概要

 使用者である法人(被告)は、社会福祉法人であり、労働者(原告)は、一級技能士(機械保全、プラント配管)、職業訓練指導員(機械科、塑性加工科、溶接科)、中学校教諭二種技術、社会福祉主事任用資格、ガス溶接作業主任者、フォークリフト他の資格・免許を有し、平成15年4月~31年3月まで、法人のaセンターの主任技師として、福祉用具の改造・製作、技術の開発などの業務に就いてきた。aセンターの技師は21年には3人いたが、29年には労働者のみとなり、労働者は、aセンターで溶接ができる唯一の技師だった。福祉用具の改造・製作件数も徐々に減少しており、令和元年には9件程度しかなかった。

 21年ころ、…

筆者:森・濱田松本法律事務所 弁護士 安倍 嘉一

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令和6年6月24日第3454号6面 掲載
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