【ケーススタディー 人事学Q&A】第1回 着替え時間 時間に応じた賃金を 手当の支給も可能だが/西川 暢春

2024.06.27 【労働新聞】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

【Q】 結婚式場を経営するA社では、着替え時間の取扱いで悩んでいた。同社では、プランナーの制服は式に応じて異なり、和服の日もあればスーツの日もある。白衣を着る調理スタッフらもおり、着替えに要する時間は個々人でばらつきが大きい。「着替え手当」で対応する案も浮上したが、これで大丈夫なのだろうか?

「更衣場所」が問題に

【A】 着替えに時間と労力がかかる場合、無給ではおかしいと疑問を持つ人も出てくるだろう。A社の場合は、業種の性質上、制服や白衣はA社によって着用方法が定められ、着用後には従業員同士で身だしなみのチェックを行うなど、着替えにも相応のルールがあると思われる。

 法的には、労働者が業務の準備行為などを事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、または余儀なくされたときは、それに要した時間は原則として労働時間に該当する。三菱重工業長崎造船所事件(最判平12・3・9)でこの点が判示されている。

 A社におけるプランナーの制服の着用や調理スタッフの白衣の着用は、来客との識別、式における演出、衛生の確保といった業務上の必要から、A社によって義務付けられたものである。また、プランナーや調理スタッフが和服や白衣を着用したうえで通勤することは現実的ではない。そのため、社内で着替えることが必要である。これらの点を踏まえると、プランナーの着替え時間、調理スタッフの着替え時間はいずれも労働時間と評価される可能性が高い。

 労働時間に当たる場合でも、業務開始前の着替えを始業時刻後に行わせ、業務終了後の着替えを終業時刻前に行わせれば、…

筆者:咲くやこの花法律事務所 代表弁護士 西川 暢春

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

令和6年7月1日第3455号12面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。