【安全衛生眺めてみれば】第14回 実情把握へ「ショーアップ」
2024.07.09
【安全スタッフ】
私が労働基準監督官になった昭和41年は、全国で労災死亡者は6303人でしたが、昨年は755人と激減しました。この激減は、産業構造の変化や技術革新に加えて、トップや管理職の安全活動が盛んになってきたことも一因として間違いないように思います。
ところが驚くべきことに、最近になって災害が発生して初めてトップや管理職が、危険な作業が現実に行われていたのだと知る事例が、目に付き始めました。私が現役時代には、トップや管理職がそのような主張をしても、単に見え透いた言い訳をしているのではないかと疑い、さらに追及を強めていました。当時は、そのような状況だったように思います。しかし、事故の真相や内部情報に接してみると、それが言い訳でなく真実なのだと確信する場合がとても多いのです。
現場の作業員は、作業の効率性や製品の優秀性を極限まで高めようとする意識を強く持っていて、…
執筆:一般社団法人 労務安全監査センター 代表理事 東内 一明
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2024年7月15日第2454号 掲載