【ぶれい考】キャリアは保護すべき財産/鎌田 耕一
2024.07.04
【労働新聞】
個人の主体的なキャリア形成を支援するという考え方は、すでにいくつかの法令に見られる。たとえば、労働施策総合推進法3条1項は、職業生活(キャリア)の適切な設計によって生涯を通じて職業の安定を図ることを労働政策の基本的理念としている。しかし、これまで、キャリアは企業から与えられるもので、個人が企業に対して配慮を求められるものではないと考えられてきた。それが、最近になって変わりつつある。裁判からいくつかの例を挙げてみたい。
原告の女性は被告会社で37人の部下を持つ管理職として勤務していたが、産休・育休後の…
筆者:東洋大学 名誉教授 鎌田 耕一
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令和6年7月8日第3456号5面 掲載