【ジョブ型人事のリアル 欧米諸国の実態は】第3回 報酬への疑いが霧消 職務記述書を共有すれば/須田 敏子
2024.07.11
【労働新聞】
期待成果として後継育成を要求
本連載の第1回で、「職務基準=ジョブ型」であること、かつて日本で普及していた全般的・一般的な職務遂行能力とメンバーシップ型人事が補完性を有しているのであって、必ずしも「人基準=メンバーシップ型」ではないことを、具体例を示して指摘した。続いて、第2回では、ジョブ型人事社会とメンバーシップ型人事社会では、賃金統計データも異なることを紹介した。今回はいよいよジョブ型人事の本質に迫っていきたい。それは、ジョブ型人事によって、ジョブの内容とともにジョブを遂行するための知識・スキル・経験・行動などの人的要件の「具体化・見える化・共有化」が起こるということだ。なお、人的要件は職務遂行能力に他ならない。
例として、テルモ㈱の事業企画部長の職務記述書を用いて、ジョブの内容と人的要件を紹介する。職務記述書は…
筆者:青山学院大学 国際マネジメント研究科 教授 須田 敏子
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令和6年7月15日第3457号13面 掲載