【本当に役立つ!こころの耳】第222回 こころの病に関するQ&A⑩
「こころの耳Q&A」は、職場のメンタルヘルスに関するよくある相談について、「こころの耳」委員会の職場のメンタルヘルスに関する専門家からのアドバイスを掲載しています。働く人、事業者といった「対象」、辛いとき、職場の人間関係・ハラスメント、休業・職場復帰といった「内容」などを選択して検索することができます。個々のアドバイスを通じて、現場の担当者が実行する糸口を見つけられることを願っています。今回は、働きすぎや作業環境などが心身の健康におよぼす影響などについて考えてみたいと思います。
Q1:働きすぎると健康に障害がでるのでしょうか?
A1:日本人の死因の3分の1を占める脳血管疾患(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞など)や虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)は、血管病変の形成、進行および悪化により発症します。働き過ぎが長期に及ぶことにより、休息や睡眠の不足から疲労が蓄積し、血管病変をその自然経過を超えて著しく増悪させ、脳血管疾患や虚血性心疾患が発症することが知られています。これらの疾患の労災認定基準では、時間外労働(休日労働を含みます)について、1カ月当たりおおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まり、発症前1カ月間におおむね100時間または発症前2カ月ないし6カ月にわたって、1カ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとされています。
また、長時間労働により疲労やストレスが蓄積すると、仕事などに対するモチベーションの低下やメンタルヘルス不調に陥ることが社会的注目を浴びています。
Q2:過労死といわれる脳・心臓疾患はどのような病気ですか。
A2:過労死とは、…
執筆:こころの耳運営事務局 事務局長 石見 忠士
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