内容の同一性で判断

　第５回は、「報酬支払期日の設定と支払義務」についてみてきた。第6回は、新法に盛り込まれた「取引の適正化」のうち、「遵守事項」（法５条）についてみていくこととする。

　法５条は組織性を有する発注事業者（特定業務委託事業者）がフリーランスに対し「業務委託」をした場合の遵守事項を定めているが、遵守事項の義務付けの対象となる「業務委託」は、政令により定められた１カ月以上の期間行うもの（契約更新により１カ月以上継続して行うこととなるものを含む）に限られている。「１カ月以上」には、業務委託から１カ月以上の期間を経過したケースのみならず、１カ月以上の期間行うことを予定しているケースや、…

筆者：岩田合同法律事務所 弁護士　中野 雅之