【人的資本経営期のHR用語集】第93回 カスハラ 精神面の不調招く 相談窓口設置などを/木谷 宏
2024.08.08
【労働新聞】
懸念される件数の増加
カスタマーハラスメント(カスハラ)とは“顧客等からの著しい迷惑行為”であり、厚生労働省は2022年に対策マニュアルを作成して周知と啓発に努めている。購入した商品について過剰なアフターケアを執拗に求める、接客に当たる担当者に乱暴または卑猥な言動を行うなどがその行為例である。
法律上の定義はないが、マニュアルでは、“顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業関係が害されるもの”としている。要求の内容が不当であれば当然カスハラだが、たとえ内容が妥当であっても要求の手段や態度が不当であれば、カスハラとみなされる。…
筆者:県立広島大学大学院 経営管理研究科 教授 木谷 宏
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令和6年8月19日第3461号12面 掲載