【ケーススタディー人事学Q&A】第8回 早出残業と割増賃金 給与明細へ記載を 指導記録は文書に残す/西川 暢春

2024.08.22 【労働新聞】
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【Q】 C社会福祉法人の始業時刻は午前8時。施設の解錠業務を行っていた社員が退社したため、D室長に代行を依頼し、1回につき30分相当の割増賃金を支払うこととした。だがD室長は、6時半に出社して早出残業をするように。「業務のために早く来ている。割増賃金は1.5時間分支払ってほしい」と主張するが…。

「黙示の指示」該当も

【A】 就業規則で定められた始業時刻より前の残業は、早出残業と呼ばれる。早出残業が使用者の明確な指示によらずに行われた場合、たとえ労働者がタイムカードを打刻したうえで業務を開始していても、裁判所はその時間を労働時間とは認めないことが多い。判例上、使用者の指揮命令下に置かれている時間のみが労働時間とされ、使用者の指揮命令なく業務を行っても労働時間には当たらないからである。

 最近の裁判例でも、早出残業について「所定始業時刻が決まっている場合、遅刻しないように余裕をもって出勤すること、乗換えが便利である、着席することができるなどの通勤時の交通事情から、早く事業場に到着する交通手段を選択すること、家庭の事情など、労働者側の事情によって、特に業務上の必要性がない場合であっても所定始業時刻より早く出勤することがあることからすれば、タイムカードの打刻があることをもって直ちに始業時刻と認めることはできない」と判示したものがある(大阪地判令4・8・15)。終業時刻後の残業は…

筆者:咲くやこの花法律事務所 代表弁護士 西川 暢春

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令和6年8月26日第3462号12面 掲載
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