【事例で検証 降格・降職の運用論】第7回 同意で行う場合の留意点 主たる5要素で判断 合理的な理由が必要に/横山 直樹
2024.08.29
【労働新聞】
書面あっても厳格に
1 降格の同意論
配転し得る業務がない場合や、能力不足等で普通解雇すべきところ大幅に賃金を下げる降格等をして雇用を維持する場合等には、同意を前提に降格等および賃金を減額することがある。同意の存在が認定できる場合、権限の存否や濫用の問題は生じなくなる。訴訟では、会社側が降格等は濫用ではないとの主張と併せて同意の前後、同意時の具体的な事実関係を指摘し、当該事実関係から降格等(およびそれに伴う賃金減額)について、同意(労働契約法8条)していたので、有効である旨を主張することがある。
同意の存在の認定に関しては、山梨県民信用組合事件(最二小判平28・2・19)が、同意書の提出等の一見、同意を示す事情があっても、…
筆者:石嵜・山中総合法律事務所 弁護士 横山 直樹
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令和6年9月2日第3463号6面 掲載