【ジョブ型人事のリアル 欧米諸国の実態は】第9回 業務量と賃金が連動 ジョブ代行すれば増加に/須田 敏子
2024.08.29
【労働新聞】
ライフに合わせ抜く仕事を選択
前回は、長期雇用、年功制、遅い選抜という特色を有する日本のメンバーシップ型人事は、ダイバーシティ(多様な人材を活かす人事管理)を阻害すると指摘した。今回は、世界標準のジョブ型・マーケット型人事は、ダイバーシティを促進する人事タイプであることを具体的な例を紹介しながら、説明していく。
前回取り上げた経営学者の石田英夫氏の主張(1989年)では、ジョブ型人事の特徴について、メンバーシップ型人事のように担当者が特定されていないジョブ領域はなく、社員個々人のジョブをピラミッドのように積み上げて企業全体の仕事が形成される――としている。そして、社員個々人のジョブが何なのかを詳細に記載しているものが「職務記述書」である。
ジョブ型人事における職務記述書では、ジョブの内容と人的要件(職務遂行能力)が「具体化・見える化・共有化」されている。このため、ライフステージに応じてジョブの内容・分量の調整ができることを、…
筆者:青山学院大学 国際マネジメント研究科 教授 須田 敏子
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令和6年9月2日第3463号13面 掲載