【事例で検証 降格・降職の運用論】第8回 管理職のパワハラと降格等 安全配慮義務優先を 民法上の不法行為 部下持たない役職に/横山 直樹

2024.09.05 【労働新聞】
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暴力等は契約解消へ

 管理職層が、部下に対してパワーハラスメント(労働施策総合推進法30条の2第1項)に該当し得る行為をした場合には、懲戒処分の実施と併せて、当該行為から部下の管理を主要な業務とする管理職としての適格性がないと判断し、人事権で部下を持たない役職まで大幅に降職等の措置を講じることがある。

 懲戒処分の場合の判断要素は「企業秩序をどの程度乱したか」であり、他方で降格等の場合は「認定できる事実からどの程度管理職としての適格性を欠くか」である。後者の場合には、部下の数、管理業務の割合等も加味された判断になるし、また降格等のうちどれを実施するのかも問われる。役職を外す降職のみの場合は、…

筆者:石嵜・山中総合法律事務所 弁護士 横山 直樹

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令和6年9月9日第3464号6面 掲載
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