【人事学望見】第1020回 競業避止義務の存続期間とは 2年を超えると公序良俗違反に
2015.09.07
【労働新聞】
経済産業省が「競業避止義務の有効性について」というリポートを公表した背景には、国内に限らず国外へも技能流出が続き、国家の存亡にも影響しかねないからだ。技術立国日本には、経営不振の度に「リストラ」を強行し、元従業員の反撃に遭ってあたふたする土壌がある。
ひっかかる職業選択問題
「経産省が行ったアンケートによると、就業規則の定めとは別に従業員と個別の『秘密保持契約』を締結している企業は、55.5%と過半数に達しているにもかかわらず、『競業避止義務契約』を締結しているのは、わずか14.3%に留まっているそうだ。この契約締結でさえ万全なものではなく、争いになると、憲法で保障された『職業選択の自由』という権利の洗礼を受けてしまう」
産業用ロボットの製作が主事業となっている岡本製作所では、国内外企業からの技術者引抜きに頭を悩ませていた。…
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平成27年9月7日第3031号12面 掲載