【人事学望見】第1024回 電通事件の教訓どこに? サービス残業重なり若者が自殺
2015.10.05
【労働新聞】
サービス残業の撲滅を図ることを目的に、厚生労働省では46通達を発出した。いわゆる電通事件の最高裁判決が出た1年半経過後の平成13年4月6日に出されたことから、ヨンロク通達として世に知られることとなったが、依然としてサービス残業は姿を消さない。
和解したが1億7千万円
Aは、90年4月、大手広告代理店に入社し、6月の配属以来、長時間労働で深夜の帰宅が続いたが、当初は意欲的で、上司の評価も良好だった。ところが、翌年1月以降になってから帰宅しない日があるようになり、半年後の7月には元気がなくなり、顔色も悪い状態となってしまった。
翌8月に入ると、「自信がない、眠れない」と上司に訴えるようになったほか、異常行動もみられ、遅くともこの頃までにうつ病に罹患したと思われた。そして、入社わずか1年5カ月後の91年8月27日自殺に至ってしまった。…
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平成27年10月5日第3035号12面 掲載