【人事学望見】第1025回 公民権保障規定は絶対か 懲戒解雇ダメでも「普通」認める
2015.10.12
【労働新聞】
平成21年5月21日裁判員制度が施行され、企業はその対応に頭を痛めた。施行後6年を経過した今日では、その喧騒のかけらもうかがわれないほど国民のなかに定着した観がある。裁判員裁判(第一審)が専門家による控訴審で覆されることも多いなどが影響しているようだ。
使用者承認法の趣旨反す
労基法7条は、労働者の「公民権保障」をうたったもの。おおむね6日程度で解放される裁判員なら、業務の遂行にさしたる影響は出ないが、地方自治体の議員などに当選した場合、議員活動に追われ業務がおろそかになってしまうことも考えられる。
十和田観光電鉄事件(昭38・6・21最高裁二小判決)は、まさにこのような状態に置かれた企業の対応をめぐって争われた。
事件のあらまし
原告Xは、旅客運送事業等を営む被告Yに雇用され、Yの従業員で組織された労働組合の執行委員長を務めていた。Xは、Yの所在する地区の労働組合協議会の幹事決定により、昭和34年4月30日施行の市議会議員選挙の議員候補者として推薦され、立候補した結果、当選した。…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成27年10月12日第3036号12面 掲載