【事例で検証 降格・降職の運用論】最終回 年俸の減額 評価基準・手続を重視 抽象的記載はマイナスに/横山 直樹
2024.09.19
【労働新聞】
全要素満たさずとも
1 合意不成立時の最終決定権限の取得
年俸制は、賃金の全部または相当部分を労働者の業績等に関する目標の達成度を評価し、年単位で設定する制度である。この達成度の評価について使用者と労働者の見解が対立した場合、換言すれば次年度の年俸額について合意が成立しない場合、年俸額がどのように決定されるかは、各雇用契約の解釈の問題であり、不成立の場合に企業が最終決定権限を取得するには、その権限を雇用契約書等に記載することが出発点となる。
しかし、雇用契約書等に「会社が決定する」等と記載しただけで(別図のA①)、直ちに最終決定権限を取得するものではなく、その余の規定(同②a~d)、運用(同②e)等から当該規定の合理性(労働契約法7条)が…
筆者:石嵜・山中総合法律事務所 弁護士 横山 直樹
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令和6年9月23日第3466号6面 掲載