【新法で大きく変わる!フリーランス活用の留意点】第13回 安全衛生対策の強化 最高裁判決が契機に 労働者と同等の保護必要/中野 雅之
2024.10.03
【労働新聞】
第12回は偽装フリーランス問題などについてみてきた。第13回は個人事業者に対する安全衛生対策の強化について解説する。
契約関係は問わない
2021年5月17日の建設アスベスト訴訟最高裁判決は、労働安全衛生法22条の規定について、労働者と同じ場所で働く労働者以外の者も保護する趣旨であると判断した。
これを踏まえ、22年4月に請負人や同じ場所で作業を行う労働者以外の者に対しても労働者と同等の保護措置を講じることを事業者に義務付ける労働安全衛生規則等の一部改正が行われ、23年4月に施行された。具体的には、安衛法22条に関して定めている11の省令(安衛則、有機溶剤中毒予防規則など)を改正し、作業を請け負わせる一人親方や下請け業者、同じ場所で作業を行う労働者以外の人に対しても、労働者と同等の保護が図られるよう、新たに一定の措置を実施することを事業者に義務付けている。主な内容は次のとおりである。
作業の一部を請け負わせる場合は、請負人(一人親方、下請業者)に対しても、以下の措置を講じなければならない。
① 局所排気装置等の…
筆者:岩田合同法律事務所 弁護士 中野 雅之
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令和6年10月7日第3467号11面 掲載