【ぶれい考】「違い」乗り越え新法施行へ/鎌田 耕一
2024.10.10
【労働新聞】
フリーランス法が11月1日に施行される。1990年代からフリーランス保護のあり方を研究してきた私にとって、感無量である。歴史を少し振り返ってみたい。フリーランスの問題が国際的に意識されたのは、98年に国際労働機関(ILO)事務局が、各国に「雇用によらない働き手」の保護を促す条約案をILO総会に提案したときである。この試みは失敗したが、ヨーロッパ諸国ではその後、こうした人たちへの保護政策が広がっていった。
わが国でこの問題が公式に議論のテーブルに乗ったのは、2017年の「働き方改革実行計画」において、フリーランスの法的保護の必要性を中長期的に検討するとしたときであった。ところが、フリーランスと一口に言っても、労働者に近い者から典型的な事業者に近い者までさまざまである。どちらにウエートを置くかによって政策目標に違いがでてくる。一方では、…
筆者:東洋大学 名誉教授 鎌田 耕一
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令和6年10月14日第3468号5面 掲載