【ポジティブに考える!改正育介法対応】第4回 子の看護「等」休暇 既存制度の周知徹底を 「利用できず退職」防ぐ/佐藤 有美
2024.10.24
【労働新聞】
気兼ねなく取得できれば効果大
「子の看護休暇」を取得したことのある労働者は、いったいどの程度いるのだろうか。子の看護休暇は、平成14年に努力義務として創設され、17年には設けることが義務化された。これを契機に就業規則、育児介護関係規程などを改定・整備することで社内制度化した企業が多いと思われる。しかし、企業の人事労務担当者でも、「子の看護休暇」への意識が薄いことは少なくない。顧問先の企業から「2人の子の世話のために遅刻、早退、欠勤をする従業員」についての相談を受けているなかでも「子の看護休暇」制度を利用しているか、要件を満たしているかという点について検討が及んでいないことがある。労働者において制度の認知度がなおさら低いことは想像に難くない。
厚生労働省令和5年度「仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業」の企業の調査によると、子の看護休暇について、57.6%の企業が、1年間のうちに「(正社員・職員の)利用者はいない」と回答している。従業員規模ごとにみると、従業員51~100人の企業は63.9%が「利用者はいない」と回答しており、最も高い割合となっている。「利用者はいない」という回答が、「制度対象者がいたにもかかわらず利用者はいなかった」ものか、あるいは、…
筆者:西脇法律事務所 弁護士 佐藤 有美
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令和6年10月28日第3470号13面 掲載