【組織の内部成長を促す目標設定】第5回 効果的な成果目標の条件 動機の中身問われる 義務や惰性を避けるため/菊谷 寛之
2015.08.03
【労働新聞】
目標次第で強度が変化
前回は、成果目標とプロセス目標とを区別し、内発的な動機と目標設定の関係を説明した。
個人的な体験を持ち出すまでもなく、人が心底から願う動機を抱いたとき、チャレンジすべき成果目標を明確にすることは、強烈な認知的・シンボル的な効果がある。やりたいことについて目標を明確にすれば、到達したいと思うゴール、達成すべき成果をめざす気持ちに弾みが付き、こうしたい、こうありたいという人の動機がより強化されるからだ。
空腹を覚えた人は、何か具体的な食物をイメージしたとき、食欲を満たしたいという動機が急に強まる。次には、何とかして食べたいという「目標志向行動」(前回)に移るだろう。
食欲のようなプリミティブな欲求の場合は、動機と目標の関係はスイッチのオン・オフのようにダイレクトである。欲求のスイッチが入れば目標が重要になり、欲求が満たされればただちに目標は消失する。
しかし、より社会的な複雑な欲求になると、目標の持ち方によって、動機そのものの強度はかなり変化するようだ。…
筆者:㈱プライムコンサルタント 代表 菊谷 寛之
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平成27年8月3日第3027号13面 掲載