【労働移動を前提とした競業避止と情報漏洩対策】第6回 退職後の競業避止特約がない場合 不法行為成立に“壁” 自由競争の範囲内か否か/岡本 直也
2024.11.07
【労働新聞】
営業の侵害度合いに着目
退職後の競業避止特約がない場合、労働者が退職後に競業行為を行うことは原則として自由だ。退職後は雇用契約を締結しておらず、賃金も支払われていないからである。対価が支払われていない以上、退職後の労働者の行為を拘束することはできないというのが契約法の考え方ということになる。
他方で、当事者間に契約関係がないとしても、民法709条の不法行為は成立し得る。もっとも、退職後の競業行為が問題になる場合、不法行為の類型としては営業権侵害という債権侵害になるから、高度の違法性がなければ…
筆者:弁護士法人岡本 岡本政明法律事務所 代表弁護士 岡本 直也
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令和6年11月11日第3472号6面 掲載