【ぶれい考】予防と補償は「車の両輪」/鎌田 耕一
2024.11.07
【労働新聞】
今年1月1日、最大震度7の地震が石川県能登地方を襲い、甚大な被害が発生した。さらに、9月21~23日にかけて24時間雨量が400ミリメートル超という観測史上最大の大雨が、復興の遅れが指摘されていた能登地方を再び襲った。
日本は、これまで地震、豪雨による洪水、土砂崩れなど幾多の自然災害を経験してきた。自然災害によって、地域住民はいうまでもないが、そこで働く人も生命・身体・健康被害のリスクに晒される。災害直後に家族が被災しているなかで出勤を求められる例や、復旧・復興時の地方公務員の過重労働、メンタルヘルス不調も報告されている。能登半島地震では、建物の解体工事においてアスベスト対策が不十分な解体事業者も見受けられたようだ。
自然災害時には、事業者・産業保健スタッフ(産業医、保健師、衛生管理者など)は、復旧・復興フェーズに応じた効果的な対応策が求められる。そのため、産業医科大学は産業保健スタッフ向けの危機対応マニュアル「危機事象発生時の産業保健ニーズ」を作成し、また、地方公務員災害補償基金は…
筆者:東洋大学 名誉教授 鎌田 耕一
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令和6年11月11日第3472号5面 掲載