【見直すべきは何なのか…労働基準関係法への提言!】リレー連載 第7回 労働者性 ガイドライン策定を 監督復命書など参照して/濱口 桂一郎
2024.11.28
【労働新聞】
「判断に至らず」が半数を占める
厚生労働省は2024年1月から労働基準関係法制研究会(学識者10人、座長=荒木尚志教授)を開催し、今日まで主として、労働者概念、事業概念、労働時間法制および労使コミュニケーションといった論点について議論を深めてきており、11月には事務局から「議論のためのたたき台」が提示されている。充てられている時間数から見ると、3回のうち2回は労働時間法制について議論されているので、それが中心的論点なのであろうが、そこでの論点は既に論じ尽くされている感もある。これに対し、今回は労働者性や労働者代表制をめぐる議論が、単なる理論的検討に留まらず具体的な立法につながっていく可能性もあり、筆者もそこに注目したい。
まず古くて新しい「労働者性」の問題である。現場の労働基準監督官は約40年前の1985年『労働基準法研究会報告』を頼りに労基法の適用如何を判断しているが、これでは判断が困難な事例が多い。筆者が監督復命書などを調査したところ、労働者性ありと…
筆者:JIL―PT労働政策研究所長 濱口 桂一郎
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令和6年12月2日第3475号11面 掲載