【見直すべきは何なのか…労働基準関係法への提言!】リレー連載 最終回 新たな雇用社会の姿は? システムの再構築を 時代に合う雇用ルールへ/倉重 公太朗

2024.12.19 【労働新聞】
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昭和的正社員像見直し欠かせぬ

 令和の現代は不確実な時代と言われる。世界的には、戦争・通貨競争などの地政学的リスク、生成AIによるビジネス環境の変化など先を見通すことは困難であるし、10年先、いや5年先の予測ですら当てることが難しい。日本でも、経常赤字や「弱い」円安、人手不足、電力不足、政局不安定など見通しは厳しい。ビジネス環境は昭和の時代と大幅に異なり、千変万化する世界情勢に合わせ、常に最善手をとり続ける必要がある。

 昭和と令和、時代は変わっても、労働法は変わっていない。労働基準法および労働関係法令は、明治時代の工場法および高度経済成長期以降の判例をベースにルール化され、現在もなお人事労務実務の基礎となっている。しかし、右肩上がりの人口増・経済成長の昭和高度経済成長期と、不確実な現代、同じ「働くルール」で良いのか、というのが根本的な問いである。

 日本は「外資が投資しない国」でもある。対内直接投資のGDP比は4~5%と、201カ国中198位(UNCTAD)である。つまり、新時代の日本型雇用を守るには、日本企業が存在し続ける必要がある。実体経済が強くなることが賃上げの源泉だ。

 ここで、日本型雇用の特徴は、終身雇用、年功序列、企業別労組と言われるが、これらは日本型「正社員」の特徴といえよう。しかし、令和のいま、…

筆者:KKM法律事務所 代表弁護士 倉重 公太朗

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令和6年12月23日第3478号11面 掲載
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