【70歳就業時代到来! 高齢者の労務管理】第1回 過去の雇用慣行からの脱却 年金制度変遷に注目 「再雇用で収入減」に不満/川嶋 英明
2025.01.09
【労働新聞】
戦力化するなら相応しい待遇を
現在、日本企業の多くは、日本全体の高齢化や人口減少に伴う慢性的な人手不足に陥っているうえ、次世代への技術継承や事業継承の遅れといった問題にも直面している。こうした問題に、高齢者を有効に活用することで対応できる場合もある。高齢者はいつか会社を去るとはいえ、時間を稼ぐことで有効な対策を立てられることもあるからだ。企業における高齢者活用の重要性は、近年ますます高まっているといえよう。
では、すべての会社が高齢者を有効に活用できているかというと、必ずしもそうではない。高齢者と現役世代の関係がギクシャクしている、高齢者から現役世代への技術継承が上手くいかない、定年後に再雇用した労働者の働きぶりが期待外れなど、問題を抱えている会社は少なくないだろう。
なぜこういった問題が起こるか。一つには会社側が過去の雇用慣行を引きずり、変化に対応できていないから、というのが大きいのではないだろうか。
高齢者の雇用慣行といえば、定年再雇用を機に賃金を大きく引き下げるスタイルを思い浮かべる人は多いだろう。また、現在進行形でそうした雇用慣行を続けている会社もまだまだあると思う。
しかし、このような雇用慣行は、身も蓋もない言い方をすると、…
筆者:社会保険労務士川嶋事務所 代表 川嶋 英明
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和7年1月13日第3480号13面 掲載