【ジョブ型雇用と人事権】第1回 問われる「向き合い方」 欧米型直輸入は困難 多数企業が“折衷”を採用/伊山 正和

2025.01.09 【労働新聞】
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雇用と職務がリンク

 十年一昔という言葉がある。時代の流れはまちまちではあるものの、不思議とこの10年という単位は、その移り変わりの節目と重なり合いがちである。人事労務分野では、平成の終わりころからいわれ始めた「働き方改革」がまさしく10年になろうとしており、偶然か必然か、ここでわが国の労働法制に大きな変革が訪れるかどうかが、さらに10年、20年先のあり方を左右しかねない情勢にある。その流れの1つが、「ジョブ型雇用」なるものへの向き合い方である。

 わが国の雇用形態は、長らくの間、新卒一括採用による長期雇用を前提に、定年までの40年の間にさまざまな職務を経験させ、年功順に責任ある立場へと登用されていくことが当たり前とされていた。これはわが国独特の仕組みであって、論者によっては「日本型雇用」などともいわれており、終身雇用・年功序列の考え方がその中心にあった。日本型雇用の下では、従業員が現在担っている職務は必ずしも固定的なものではなく、その従業員が「どのように働くか」という労働の内容よりも、「どれだけ働くか」という労働の物量が重視されてきたといえる。そこではとにもかくにも、同じ使用者の下で長期間にわたって働き続けること、すなわち

筆者:京都総合法律事務所 弁護士 伊山 正和

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令和7年1月13日第3480号11面 掲載
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