【ぶれい考】「民主主義」を再考する/則松 佳子
2025.01.16
【労働新聞】
昨年12月、韓国で45年ぶりに、大統領が非常戒厳を発令した。なぜ今発令? 直後に韓国の労組の仲間からは、泣き顔の絵文字とともに「誰も意味が分からないよ~」と送られてきた。
軍人出身の盧泰愚政権から金泳三の文民政権へ移行したのは1993年。たった30年余り前のことだ。それ以前の全斗煥ら新軍部によるクーデター、多くの学生や労働者が武力制圧された光州事件などの民主化闘争と戒厳令の拡大も含め、自国の民主化の歴史を深く記憶する市民はいまだ多く、家庭で当時のことが語り継がれてきているに違いない。その証拠に、80年9月のクーデターを描いた映画「ソウルの春」が2023年11月に公開されると、同国で23年の興行収入1位を記録している。韓国の4人に1人が鑑賞した計算だという。
今回の隣国の事態に触れ、2つのことをよく考えるようになった。1つは「民主主義」は大勢の市民が何回も言葉にしてようやく勝ち取るものなのだということ。もう1つは…
筆者:連合 副事務局長 則松 佳子
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令和7年1月20日第3481号5面 掲載