【ジョブ型雇用と人事権】第2回 「解雇が容易」は誤解か? 法規制に相違はない メンバーシップ型 能力不足の証明困難/伊山 正和

2025.01.16 【労働新聞】
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新卒は長期雇用前提

 わが国において、新たに従業員を採用する方法といえば、新卒一括採用によることが一般的である。この方法によって採用された従業員は、つい先日まで学生であったのだから、仕事に対する経験も能力も、即戦力としてすぐ活躍できる水準であることなど最初から期待できようはずがない。採用する側としてもそのことは当然に織り込み済みで、現場での体験と訓練を通じて、中長期的に有為な人材として育っていくことを見込んでいる。どのような職務や役職に就けるかも、雇用を継続する過程で評価していくことになるのであって、採用された時点の職務内容は必ずしも将来にわたって固定的なものではない。

 このように、新卒一括採用の方法による場合には、中長期的な雇用継続を前提に、その間、人事異動を通じてさまざまな職務を経験させ、適任者を役職者に配置するという仕組みに行き着くことが自然な流れである。そしてこの仕組みが機能するためには、従業員が現に1つの雇用主の下で中長期にわたって働き続け、異動をいとわず、雇用主が求める成果を進んで発揮するという関係性が常態となっていることが必要不可欠である。従業員にそうした意欲を与えるためには、とにかく定着さえすれば賃金は上昇し続け、役職者になれば、責任は増えるものの待遇もより良くなるという制度を確立する必要がある。その典型的な集大成が、いわゆる終身雇用・年功序列という日本型雇用であり、1つの雇用主への帰属こそを本質とするメンバーシップ型雇用である。

 メンバーシップ型雇用において、…

筆者:京都総合法律事務所 弁護士 伊山 正和

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令和7年1月20日第3481号11面 掲載
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