【50人未満事業場 安全衛生基本のキ】第4回 近時の労災発生状況 多発する転倒と腰痛 商業などで増加止まらず/野口 紀央
2025.01.30
【労働新聞】
第三次産業では高齢者もめだつ
今号は、第三次産業かつ50人未満の小規模事業場(以下、小規模事業場)における令和5年の労働災害統計を紹介する。最初に全産業の死傷者数13万5371人のうち、建設業は1万4414人(全産業に占める割合=10.6%)、製造業は2万7194人(20.1%)だった。一方、第三次産業については6万9602人に上り、51.4%と半数以上を占めている。休業4日以上の労働災害というと、真っ先に製造業などが思い浮かぶかもしれないが、発生件数ベースでいえば第三次産業の方が圧倒的に多い状況にある。
第三次産業について、事故の型別に詳しくみると、発生割合では「転倒」(34.6%)が最も高く、次いで「動作の反動・無理な動作(腰痛)」(20.1%)だった。転倒は商業や飲食店で多く発生しており、腰痛については、社会福祉施設を含む保健衛生業でめだっている。建設業で「墜落・転落」、製造業で「はさまれ・巻き込まれ」が多発しているのとは、様相が異なる。
業種別の発生件数は、…
筆者:社会保険労務士野口紀央スマートオフィス 代表 野口 紀央
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令和7年2月3日第3483号10面 掲載