【ぶれい考】“失われた30年”でも変化/今野 浩一郎
2025.02.06
【労働新聞】
ジョブ型雇用、人的資本経営などなど。人事管理のニュー・モデルを提案する発言がめだつ。その背景には、「失われた30年」の間に経済が停滞したように、人事管理も変革されないままに時代遅れになったとの思いがあるように思う。しかし現実の人事管理は「失われた30年」の間にも変化し、最近の変革の動きはその延長線上にある。
「失われた30年」で起きた変化の1つは成果主義化が進んだことである。これは年功重視の伝統型を仕事と成果を基軸とする人事管理に変革する動きであるが、人材の育成・活用が短期的になる等と厳しい批判にさらされた。しかし、それらの批判が成果主義化に対抗できるモデルを提示できたわけではないし、現実をみると、目標管理や役割給等が広く浸透したように、人事管理は確実に成果主義化を強めてきた。企業にとってみれば、それは市場環境の変化に対応するための必要な選択だったのである。
もう1つの変化は、…
筆者:学習院大学 名誉教授 今野 浩一郎
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令和7年2月10日第3484号5面 掲載