【ぶれい考】“挑戦”が人的投資を生む/今野 浩一郎
2025.03.06
【労働新聞】
人的投資を怠ったため人的資本(人材の質)が劣化し競争力が低下したと、日本企業の最近の評判はさんざんであるが、それに応えるように注目を集めているのが人的資本経営である。
注目の契機となった「人材版伊藤レポート」は、人的資本経営を「人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方」と定義したうえで、企業に導入を勧めている。ということは、日本企業はこれまで、人材を資本と捉えてこなかったことになるが、そこまでくると、ちょっと待てという気持ちになる。
というのは、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が躍った私の若い時代には、人材を必要なときに必要なだけ調達し活用する「部品」と捉える米国企業等と異なり、日本企業は人材を育成して活用する、つまり…
筆者:学習院大学 名誉教授 今野 浩一郎
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令和7年3月10日第3488号5面 掲載