【人的資本経営期のHR用語集】第120回 多能工化 計画的OJT促す 洗出し通じ業務改善/木谷 宏
2025.03.13
【労働新聞】
事務職や企画職に波及
生産現場では作業系労働者の熟練段階を未熟練工、単能工、多能工の3つに分けることが一般的である。多能工には専門能力に加えて、前後工程の習熟や判断力・指導力・順応性などが求められ、特定の作業だけではなく長期間かつ広範囲の経験と訓練が必要となる。この過程を多能工化と呼び、基礎理論から応用力、さらに適応性を習得するための計画的なOJTが不可欠である。
かつて日本企業が自動車産業など垂直統合型の製品開発(擦合せ型、インテグラル型)によって国際競争力を誇った時代には、複数台の機械を操る多能工化は技能者育成と同義語であったとも言える。今日において垂直統合型はPCや携帯電話に代表される水平分業型(組合せ型、モジュール型)に座を明け渡したが、多能工化は生産現場を飛び出してあらゆる業界に波及し、…
筆者:県立広島大学大学院 経営管理研究科 教授 木谷 宏
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和7年3月17日第3489号12面 掲載