【ジョブ型雇用と人事権】第10回 メンバーシップ型との融合 能力向上は会社主導 長期雇用の利点活かして/伊山 正和
2025.03.13
【労働新聞】
ミスマッチを前提に
ジョブ型雇用を推奨する立場からは、メンバーシップ型雇用は脱却されるべきあしき方法であると評価されがちである。いわく、年功序列の人事制度では、実力に応じた評価が行われにくく、優れた人材の能力がうまく発揮されないというのである。なるほどわが国においては、年齢や年次の順序がそのまま人間関係の上下に結び付けられがちであり、これがあるために苦々しい経験をしてきたという人々も少なくないであろう。
こうした年功序列の考え方そのものの善しあしはさておくとして、もしこれに固執するあまり、ジョブ型雇用を推奨する論者が指摘するように、人事の場面で優れた人材の能力がうまく発揮されないという状況が作り出されているとすれば、当人のモチベーションはもちろん、組織としての競争力がそがれることには相違あるまい。それゆえに、…
筆者:京都総合法律事務所 弁護士 伊山 正和
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令和7年3月17日第3489号11面 掲載