【70歳就業時代到来! 高齢者の労務管理】第11回 ケーススタディー② 現役世代の引下げも 限られた原資の配分考え/川嶋 英明

2025.03.20 【労働新聞】
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戦力として活用する場合を想定

 前回は、従来の定年再雇用を機に賃金を大きく引き下げる雇用慣行を継続することを念頭に、架空の会社A社を例に制度設計を行った。しかし、人手不足を解消するとともに、高齢者側の現役時代と変わらない働き方がしたいという需要を満たすため、高齢者を戦力として活かしたいと考える会社も多いことだろう。そのため、今回は高齢者に対し、戦力としての貢献を求めることを前提に、前回同様A社を例に検討していく。

 A社の概要をおさらいしておくと、A社では、定年前の賃金項目である「基本給、精皆勤手当、役職手当、家族手当、通勤手当、時間外・休日・深夜手当」のうち「精皆勤手当、役職手当、家族手当」が定年後に不支給となり、賃金総額は定年前の賃金の60%前後まで下がる。一方、業務内容、配置の変更範囲、労働時間、所定労働日数は定年前とほぼ変わらないのに加え、契約期間は無期から1年更新の有期となる。

 A社では、高齢者に対して現役世代とはまったく異なる労務管理をしているわけだが、…

筆者:社会保険労務士川嶋事務所 代表 川嶋 英明

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令和7年3月24日第3490号13面 掲載
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