【企業に必須の“安全経営”のススメ】第4回 安全で生産性の高い施工の実現へ
2025.04.10
【安全スタッフ】
建設業は製造業に比べ不確定性が高く、安全確保について人の判断や行動に左右される部分が大きいとされる。労働災害減少に向けて、ICT活用と協調安全の考えが有効になると考えられ、その前提として、経営者層や管理者層が労働安全衛生マネジメントシステムなど安全の基本を正しく理解することが重要になると日立建機の枝村学技監はいう。各階層でマネジメントがリーダーシップを発揮していくことが重要になるとした。
リスクアセスメントが浸透せず
1.はじめに
日本の建設業における労働災害は、各方面での多大な努力によって減少を続けてきたが、近年は下げ止まっている感がある。また、10万人当たりの死亡者数は、安全先進国とされるドイツやイギリスに比べ、依然として高い水準にある(1)。
本稿では、建設業における労働災害をさらに減少させ、より安全で生産性の高い施工にするために、まず現状の問題点を掲げ、次いで筆者が考える具体的な安全化のアプローチについて述べたい。
2.建設業の安全とリスクアセスメント
筆者は、エンジニアとしてのキャリア前半で半導体製造装置、後半で建設機械の安全設計に携わってきた。安全設計において基礎となる考え方は、…
執筆:日立建機㈱ 研究・開発本部技監 労働安全コンサルタント(機械) 枝村 学
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2025年4月15日第2472号 掲載