【人事学望見】第1117回 労働協約による労働条件の変更 組合の目的を逸脱か否かで判断
2017.09.22
【労働新聞】
労働組合は、組合員の労働条件の維持・改善を目的とする団体であるが、労働条件を不利益に変更することになる労働協約であっても締結することは可能。ただし、それには限界があり、手続き面で適正さを欠いていたり、内容面での合理性を欠くと適用されない。
経営危機等高度の必要性
定年および退職金算定方法を不利益に改定した労働協約に反旗を翻した組合員が従前の労働条件の適用を求めて提訴したのが朝日火災海上保険事件(最三小判平8・3・26)である。
事件のあらまし
原告労働者Aは、B会社鉄道保険部に雇用された後、昭和40年に鉄道保険部の業務がY会社に引き継がれたことに伴い、Y会社の労働者となった。
AのようにB社からY社に移った労働者の労働条件は、当初はB社時代のものを引き継ぐこととされたが、これによって当初からY社の労働者であった者との間に労働条件の格差が生じたため、Y社は、…
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平成29年9月25日第3130号12面 掲載