【ぶれい考】鉄道ファンと安全配慮義務/土田 道夫
2016.06.06
【労働新聞】
私は、鉄道ファンである。そして、関西在住なので、JR西日本の大ファンである。時折乗るJR新快速の快走振りには思わず興奮を覚える。最近オープンした京都鉄道博物館も楽しみだ。
そのJR西日本を舞台に、最近、同社の保線区・信号通信区等に勤務する社員が、列車との触車事故防止措置の履行請求を、会社の安全配慮義務の履行として求める裁判例が登場した(大阪地判平成26・12・3労旬1844号78頁)。
安全配慮義務(労働契約法5条)については多数の裁判例があるが、そのほとんどは、労働者が労災事故に遭遇して怪我・死亡したり、過労死した後に、本人や遺族が使用者に損害賠償を求める事案に関するものであった。…
筆者:同志社大学法学部・法学研究科 教授 土田 道夫
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平成28年6月6日第3067号5面 掲載