【問題社員に対処!懲戒権行使の境界線】第14回 過剰な接待、経費の不適切利用/岸 聖太郎
2016.10.17
【労働新聞】
金額や回数など考慮を ルール周知状況も加味
かつては甘い対応も
従来、企業内において現金着服やリベートの収受等企業に損害を与える横領行為や背任行為が行われた場合には、当該従業員に対して厳しい懲戒処分が実施され、裁判所でもその有効性が肯定される傾向にあった。
その際の有効性判断の考慮要素としては、①金額の多寡、②態様の悪質性(回数、期間)、③金銭の使途、④当事者の地位、⑤業務との関係、⑥過去の同種事例に対する処分例との比較、⑦目的の悪質性、⑧相手方の過失に基づき過誤が看過されたものか、⑨第三者を巻き込んだか、⑩金銭の返戻の有無などが挙げられるが、このうちのまずは①~⑤を検討し、その後⑥~⑩といった事情も合わせて総合勘案するのが適当であると考える。…
筆者:石嵜・山中総合法律事務所 弁護士 岸 聖太郎
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平成28年10月17日第3084号4面 掲載