【問題社員に対処!懲戒権行使の境界線】第18回 私生活上の犯罪行為①/岸 聖太郎
2016.11.14
【労働新聞】
理論上は処分できず 企業秩序への影響で判断
報道の有無など考慮へ
懲戒は、企業が事業活動を円滑に遂行するために必要な範囲で、企業秩序を維持する権限を使用者に認めたものである。したがって、企業施設外で就業時間外に行われた従業員の私生活上の非行行為については、たとえ就業規則に懲戒事由として定めたとしても、企業秩序維持とは基本的に無関係であるため、懲戒することはできない。
たとえその非行が痴漢や暴行など犯罪行為に該当するものであったとしても、それだけでは企業秩序が乱されたとはいえないことから、理論上は懲戒対象とはならない。その場合には、人事権をはじめとする監督・管理権限による対応が基本となる(第1回「基本的な考え方」参照)。
しかし、従業員の私生活上の行為であっても、事業活動の遂行に直接関連したり、企業の社会的評価を低下もしくは毀損させた場合には、懲戒の対象となる。…
筆者:石嵜・山中総合法律事務所 弁護士 岸 聖太郎
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成28年11月14日第3088号4面 掲載