【落語家柳家小満ん ちょっと一席風流噺】第16回 山吹

2016.05.30 【労働新聞】
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 『道灌』に後1回だけお付き合い下さい。

 噺の中の主題歌とでも云うべき和歌は、

 七重八重花は咲けども山吹の
 みの一つだになきぞあやしき (兼明親王)

が正しいようだが、落語の方では「あやしき」でなく「かなしき」で踏襲されている。

 山吹の花は五弁の一重が結実し、八重山吹は実を結ばない。そこが奇異である、不思議であるという意味で「あやしき」と詠んだのであろうし、「蓑一つ」と考えれば卑しい、粗末であるという意味の「あやしき」でもあろう。…

筆者:落語家 柳家小満ん

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平成28年5月30日第3066号7面 掲載
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