【落語家柳家小満ん ちょっと一席風流噺】第30回 後の月
2016.10.10
【労働新聞】
まずは小咄で。秋になって月夜の晩に、頭へ置き手拭いをして、両手は懐で弥蔵を組んで、投げ節なんぞを唄いながら、吉原の内を漫(そぞ)ろ歩いて粋がってる、なんてえ人が随分いたそうですが、これは夜の吉原だから様になるんで、これを真っ昼間、町中でやった人がおりまして、
「葉うら葉おもて 葉おもて葉うら 萩の葉うらに 鳴くきりぎりす」
なンという文句を、高っ調子で唄いながらやって来た。ちょうど屋根屋の職人が屋根で仕事をしてまして、これを見たから黙ってません。…
筆者:落語家 柳家小満ん
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平成28年10月10日第3083号7面 掲載