【人事学望見】第1057回 精神的不調者に最高裁判断 欠勤の懲戒より積極的対応図れ
2016.06.20
【労働新聞】
最高裁は、精神的な不調のため無断欠勤したことを理由とする諭旨解雇処分に対し、会社は精神科医による診断結果に応じ、休職等の処分を検討しその後の経過をみるなどの対応をとるべきであり、いきなり懲戒処分をすることは不適切である、と判示している。
無視されたプライバシー
「精神疾患にり患していると思われる労働者が自ら受診しない場合に、使用者がいかにしてり患につき医学的確証を得て、適切な措置をとるか、という問題および医学的確証が得られないなかで、いかなる場合に『精神的不調のために欠勤を続けていると認められる』として良いのか等の判断を的確に行えるスキルをいかにして身に付けさせるかという問題が抽出される」
小畑史子京都大学教授は、「精神的不調に陥っているとみられる労働者に対する使用者の対応」とする論文(日本労働研究雑誌2013年6月号)のなかで、日本ヒューレット・パッカード事件判決(平24・4・27一小)を解説しながら、こう警鐘している。…
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平成28年6月20日第3069号12面 掲載