【改正特許法 職務発明制度―その実務対応と活用―】第4回 制度の構造を概観する(後編) 非金銭的な報奨も 労使協議が不可欠/鮫島 正洋・杉尾 雄一
2016.07.25
【労働新聞】
「対価」から「利益」に
前回までに、会社は従業者がした発明であったとしても、特許を受ける権利を原始取得するか、予約承継ができることを説明した。職務発明は会社の資金により完成されるものであるが、従業者は努力の末に完成させた発明の権利が会社に取得されてしまうのであれば、発明に対するモチベーションが湧かないであろう。そこで特許法は、会社が原始取得等した場合は、従業者に対し「相当の利益」を付与しなければならないと定めている。この「相当の利益」は、従業者へのインセンティブとして重要な役割を果たしている。
ここで重要なのは、単に「利益」を付与すればよいのではなく「相当の利益」を付与しなければならない点である。つまり、会社は発明の価値等に応じた適切な利益を従業者に付与しなければならない。…
筆者:弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士・弁理士 鮫島 正洋
弁護士・弁理士 杉尾 雄一
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
平成28年7月25日第3074号13面 掲載