【日本企業にふさわしい同一労働同一賃金】第7回 日本型格差是正規制の意義と解釈 不合理な格差禁止 司法の判断も分かれる/荒木 尚志
2016.11.21
【労働新聞】
人権差別については、欧米共通して、両面的な差別禁止規制が採られているが、雇用形態差別については、アメリカでは規制していないのに対して、欧州では片面的不利益取扱い禁止規制が採用されている。これに対して、日本の「不合理な格差の禁止」は、欧州の不利益取扱い禁止規制とも異なるという。どう異なるのか、具体的に論じてもらった。
日本独特の考え方
均衡規制を視野に入れる
前回は、日本の有期労働契約・パート労働に関する「不合理な格差の禁止」という規制は、欧州の非正規雇用についての不利益取扱い禁止規制とも異なる独特の規制であることに触れた。もう少し敷衍しよう。…
筆者:東京大学大学院法学政治学研究科 教授 荒木尚志
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平成28年11月21日第3089号13面 掲載