【今週の注目資料】正社員と有期雇用労働者の賃金格差((独)経済産業研究所)=平成28年11月発表
2016.12.19
【労働新聞】
勤続年数がより影響
同研究所の「多様な働き方と意識に関する調査」のデータを基に、統計学に基づく分析をしたもの。正社員と有期雇用労働者の賃金格差を明らかにし、どの程度人的資本や職種の違いから説明できるかを示すのが目的である。
有期雇用労働者の時間当たり賃金は、正社員と比べて全体で36.5%低かった。男女別では、男性が32.4%低く、女性は16.6%低い。
そこから学歴や勤続年数などの属性を取り除き、純粋に雇用形態がどの程度賃金格差に影響を与えているかを比較すると、全体で8.8%の差がみられた。男性だけでは8.4%低く、女性だけの場合は統計的に意味のある差はなかった。雇用形態の違いによる賃金格差が、一般に考えられるより小さいことがうかがえる。
どの属性が正社員と有期雇用労働者の賃金格差に影響を与えているかをみていくと、全体では勤続年数と職種の寄与が大きかった。男性では勤続年数と職種が大きく寄与し、女性は職種、学歴が大きく関係している。
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平成28年12月19日第3093号10面 掲載