【人事学望見】第1086回 高齢者用就業規則がないとき 正社員用を適用し退職金支払え
2017.02.06
【労働新聞】
パートタイマーの労働条件は、就業規則上、通常の労働者と異なって定められることが多い。専用の就業規則がないと、正社員用の就業規則を適用することになるかの問題(労契法12条)が、一般的に論議の対象となる。しかし、行政解釈では短絡的な適用を認めていない。
他社定年後の採用者請求
就業規則の未整備が、他社を60歳で定年後に応募して採用された高齢者に波及してトラブルになったのが大興設備開発事件(平9・10・30大阪高判)。
事案の概要
当該会社では、正社員のほかに、年齢が60歳を超え年金を受給しながら働く高齢従業員とパートを雇用していた。
会社が平成6年12月に所轄労基署に届け出た就業規則は、適用対象を正社員に限定していなかったものの、高齢者を適用対象とする就業規則を別に制定していなかった。就業規則には、ただ「退職した者には退職金を支給する。ただし、勤続3年未満の者には支給しない」とだけ定めていた。…
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平成29年2月6日第3099号12面 掲載