【人事学望見】第1096回 退職金支給後に不正が発覚 懲戒解雇相当でも全額返還困難

2017.04.17 【労働新聞】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

こんなワルだったとは…

 懲戒解雇は、長年の勤続の功を抹消するような著しい不信行為が立証されたときに認容され、通常退職金は支給されない。一方、退職後の重大な秩序違反が発覚したとき、企業は支払った退職金の返還を求めるのが通常だが、企業外の人間に請求するのだから容易ではない。

損害賠償を求める程度に

 退職後に発覚した事由で懲戒処分はできないため、不法行為を立証して退職金返還を求めた典型的な事案が阪神高速道路公団事件(昭63・11・2大阪地判)といえそう。

 事件のあらまし

 高速道路を建設・管理する公団を退職し、すでに退職金約900万円を受領したAが、在職時の収賄容疑で逮捕された。公団は懲戒委員会の答申を得て、職員退職金手当支給規程の定めるところにより、退職金の返還を求めたが、猶予期間を過ぎても返還されなかったため、退職金の返還と遅延損害金の支払いを求めて提訴した。

 判決の要旨

 Aが公団在職中に、関係業者から合計540万円の賄賂を収受したことは、当事者間に争いがない。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

この連載を見る:
平成29年4月17日第3109号12面 掲載
  • 広告
  • 広告

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。