【人事学望見】第1099回 出張中被災でも業務外とは 積極的な私的行為が原因の場合
2017.05.15
【労働新聞】
出張中については、自宅と出張先との往復や宿泊先での時間を含め、出張過程全般について労働者は使用者の支配下にあると考えられることにより、まず業務遂行性が認められる。次に合理的な経路・方法を採っている場合、一般に業務起因性が認められる。
ふつうなら支配下だけど
ただし、積極的な私的行為等を原因とした災害については、業務上認定はされていない。事業主の支配下または管理下にある場合というのは、①事業場で作業に従事中に災害にあった場合②事業場内での休憩中や始業前・終業後の行動の際に災害にあった場合、それと③出張中のように事業場外での労働中の災害だが、積極的な私的行為で否定された判例は結構多い。以下のケースがそれらである。
東芝エンジニアリング・立川労基署長事件(東京地判平11・8・9)
事件のあらまし
火力発電所の現場に出張し宿舎で寝泊まりしながら働いていた従業員が、同じ現場で働いていた他の会社の送別会で飲酒し、宿舎に帰った後で行方不明となり、数日後近くの川で溺死しているのが発見された。…
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平成29年5月15日第3112号12面 掲載